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ふるさと納税ポイント還元廃止

皆様こんにちは、MSC税理士法人の木下です。

今年の6月に、総務省よりふるさと納税のルール見直しが発表されたのをご存じでしょうか。年末も近づいておりますので、ふるさと納税を検討しておられる方も多いのではないでしょうか。今年の6月には総務省よりふるさと納税のルール見直しが発表されました。今回は、その改正内容についてご紹介していこうと思います。

 

【1】ふるさと納税ポイント還元廃止

まず、ふるさと納税とは何か、おさらいをしていこうと思います。

ふるさと納税とは、故郷や応援したい自治体に寄付すると、寄付した金額の一部が所得税や住民税から控除されます。具体的には、寄付額のうち2,000円を超える部分がふるさと納税を行った年の所得税やふるさと納税を行った翌年度の住民税から控除されます。

近年は、各仲介サイトからふるさと納税を行うのが一般的であり、ふるさと納税の返礼品の充実度合いのほか、品ぞろえで差別化するのが難しくなっていていることから、ポイント還元でサービスを競ってきました。

しかし今年6月に、総務省から下記の発表がありました。

 

『寄付に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止すること。(募集適正基準の改正)【令和7101日から適用】』(引用:総務省/報道資料/ふるさと納税の指定基準の見直し等)

 

現在、多くの仲介サイト(さとふる、ふるなび、楽天ふるさと納税等)では、寄付額に応じて一定のポイントを付与するサービスを行っていますが、202510月からは寄付と連動したポイントの還元・付与が禁止されることになりました。

一方で、ふるさと納税をクレジットカードで決済すると、クレジットカードのポイントの還元はこれまで通り継続されます。

【2】まとめ

ポイント還元の廃止は来年の10月であるため、今年はそれほど心配する必要はありません。もし、ポイント還元を受けたいのであれば、来年のふるさと納税は20259月までに済ませておくと良いかもしれませんね。


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別表2のはなし

みなさまこんにちは、MSC税理士法人の本田です。

今回は普段あまり見ることのない法人税申告書の別表2に注目しながら、そこから読み取れる会社のリスクについてお話していこうと思います。きっとお役に立つものだと思いますので、最後までお付き合いください!


【1】別表2とは

そもそも法人税申告書の別表2とは「同族会社等の判定に関する明細書」であり、同族会社に該当するかどうかの判定を示す書類です。その下部には判定の根拠となる株主等の氏名や所有株式等の数が記載されています。そして中小企業の場合、社長とそのご家族で100%の株を所有していることが多いと思います。しかし、会社の歴史が長くなり株式の売買やご相続を経て別表2に記載されている株主の人数がいつのまにか増えている企業様もあるのではないでしょうか。特に平成2年の商法改正以前は、株式会社の設立には7人以上の発起人(株主)が必要でした。そのため、親せきや友人に名前だけを借りて会社を設立し、多くの株主がいる状態のままだというパターンもあります(いわゆる名義株)。この状態を株式分散と呼び、中小企業ではいくつか問題が生じる可能性があります。

【2】株式分散のリスク

株式の分散は会社経営を行う上で様々な問題をもたらす可能性があります。今回は以下の2つについてご紹介したいと思います。

1.(少数株主の権利行使)

 会社の意思決定権を持つのは会社の所有者である株主です。そのため、全ての株主に会社の経営に関わる権利が与えられています。例えば、会社法において特別決議の賛成要件は出席株主の3分の2以上が必要になります。そのため、株式が分散している場合には円滑な意思決定ができないおそれがあります。

2.(株主の管理コスト)

 株式が分散してしまうと、相続等によってさらに株式が分散し、どこの誰が株を持っているのかの把握が難しくなりかねません。また、そうした株を集約しようとすると想定していたより大きなコストがかかることが多いです。例えば、先述した名義株を買い取ろうとすると、長い年月が経ち会社規模が大きくなったことで、株式の評価額が高くなり、買取資金が膨らむ可能性があります。会社の実質的なオーナー様も、名前だけを貸していた株主に多額のお金を支払うことは不本意に違いありません。そうなる前にできるだけ早く株の集約を図り、安定的な会社経営を行えるよう段取りを整える必要があります。


【3】まとめ

株式分散のリスクをいくつかご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。改めて別表2を見直してみると思わぬ発見があるかもしれませんね!

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事業のバトンタッチ

みなさまこんにちは、MSC税理士法人の井村です。

中小企業は日本企業の99%超を占めており、雇用や技術の担い手として日本を支える重要な存在となっております。

しかし、昨今では後継者不在など深刻な状況が続き、廃業の増加による雇用や技術への影響が懸念されています。東京商工リサーチ調べでは、労働集約型の産業では人手だけでなく後継者不足が顕著に出ており2024年上半期の「後継者難」による倒産が254件と過去最多を記録しています。

将来にわたり企業が存続と発展をしていく上で、中小企業の事業承継は何よりも重要な取り組みです!

〈※〉東京商工リサーチ “2024年上半期の「後継者難」倒産 過去最多の254件

親族承継や社内承継による事業承継を実行する意思がある限りは、より早い段階から準備をしておくことが企業にとって必要なことだと私は考えています。

事業承継が起こる原因は様々ですが、後継者がスムーズに引き継げるようにしておくことで企業の勢いを途絶えさせることなく経営をしていくことが出来るのではないでしょうか。

また、後継者が見つからない・未定といった場合には、M&A(社外への第三者承継)による承継も有効な手段です。企業を譲渡し、その譲渡で得た利益でセカンドライフの資金にしていくことも可能です。


会社規模や経営成績、社長のお考えなど企業ごとに異なり、事業承継に対する考え方も様々かと思います。ぜひ我々MSC税理士法人と共に会社の今後を考えていきましょう!

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2024年の路線価のお話

みなさまこんにちは、MSC税理士法人の木下です。

71日に国税庁が2024年分の路線価を発表しました。

全国の調査地点の平均は3年連続で上昇し、上昇率も2010年以降で最大となりました。

今回は、路線価だけでなく『不動産にまつわる価格』についてお送りします。

ぜひ最後までご覧ください!

【1】近畿圏の2024年分路線価

相続税や贈与税を計算する基準となる1㎡あたりの土地の評価額である路線価は、近畿圏では次のようになりました。

    

路線価の最高額は大阪・梅田の「阪急うめだ本店」前の御堂筋が去年より5.4%増加し、2024万円/㎡で41年連続最高額となっています。(ハガキ1枚あたり30万円!)

また上昇率では大阪・西区江戸堀1丁目の四ツ橋筋で19.3%も増加しています。

近畿圏ではコロナ禍で低迷していたインバウンド消費が回復したことに加え、大阪「うめきた」エリアの再開発や万博の開催などを背景に上昇傾向が続いているそうです。


【2】マンション価格の高騰

関西のマンション価格も上昇しています。2023年度の新築マンションの平均価格は4935万円で、バブル期以来32年ぶりの高値だそうです。

ウクライナ戦争による品薄と円安の進行により建築資材が急騰し、2024年4月からの働き方改革による人件費も増加、

さらに訪日客向けに急増するホテルと用地確保で競合し土地価格も上昇していることで平均価格が増加しているようです。

【3】マンション・アパートの家賃引き上げ

不動産価格の上昇は賃貸マンションやアパートの募集家賃にも影響し、2024年6月のアットホーム調べの『全国主要都市の賃貸マンション・アパート

募集家賃動向』によると、大阪市のファミリー向け(50~70㎡)平均家賃14万8015円(前年同月比10.1%増)を筆頭に上昇傾向にあります。

【4】最後に

不動産価格は相続税や贈与税、中小企業の株価に大きく影響します。

「不動産の相続税評価額が気になる」や「近々、不動産を所有する企業の株式譲渡を考えている」といった方は一度評価額を検討してみてはいかがでしょうか?

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交際費の改正について

こんにちは。MSC税理士法人の兼吉です。

今回は交際費の改正についてご紹介します。

Ⅰ.具体的な変更点

令和6年度の税制改正により、交際費等の損金不算入制度の適用期間が3年間延長され、交際費等から除外される飲食費等の金額が1人あたり5千円以下から1万円以下に拡大されました。

具体的な変更点は以下の通りです:

  1. 飲食費の引き上げ: 交際費等の範囲から除かれる一定の飲食費に係る金額基準が、1人当たり5,000円以下から1万円以下に引き上げられました。
  2. 中小企業の損金算入: 中小企業の場合、年間800万円までの交際費は全額損金算入可能となりました。

これにより、経費計上や節税対策において、交際費に関する新たなルールが適用されることになります。ご注意いただきたいのは、これらの変更は令和6年4月1日以降に支出される飲食費に適用される点です。 また、中小法人は、交際費等の800万円までの損金算入と飲食費の50%相当額の損金算入とのいずれかを選択できることになっています。

もしさらなる詳細が必要であれば、お知らせください。

 

上の文章は生成AIツールに「交際費 改正」と入力をすると回答してくれました。

些細な点では完璧ではありませんが、一般の方が知る情報としては十分な情報となっており、本当に便利な世の中となりました。

Ⅱ.一万円以下の飲食費について

今回はさらに、1万円以下の飲食費について深堀したいと思います。

まず、交際費等の定義は、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」となっています。

そして、飲食費とは、「飲食その他これに類する行為のために要する費用」となっており、具体的には、従業員等が得意先等を接待する「飲食代」、業務遂行や行事の際に差し入れる「弁当代」、飲食後その飲食店等で提供されている持ち帰りの「お土産代」などが含まれます。

飲食費に該当しないものとしては、ゴルフや観劇、旅行に際する飲食費、接待等を行う飲食店への送迎費、お中元やお歳暮などが該当しません。

また、1万円以下の飲食費として交際費の対象外となるのは社外飲食費のみで、社内飲食費は金額基準が無く、1万円以下でも交際費に該当するので十分注意しましょう。

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定額減税のポイント

みなさまこんにちは、MSC税理士法人の松原です。

今回は、令和66月以降に実施される定額減税について、給与所得者に対する所得税の取扱いにポイントを絞ってお伝えしていこうと思います。

Ⅰ.定額減税の対象者と減税額

所得税の定額減税については、令和6年分の所得税の納税者である居住者が対象となります。また、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下(給与収入のみであれば収入が2,000万円以下)の人が対象です。

定額減税額については、次の①と②の合計額となります。

     本人 3万円

     同一生計配偶者又は扶養親族 1人あたり3万円

例えば、本人・同一生計配偶者・扶養親族1名というケースであれば、3万円×3人の9万円が減税額となります。

Ⅱ.定額減税の実施方法

定額減税の実施方法ですが、令和661日以後の最初の給与等の源泉徴収税額から控除する方式となっています。また、最初の給与等で控除しきれなかった場合には、納税者ごとの減税額に到達するまで令和6年中の給与等の源泉徴収税額より控除し続けることとなります。源泉徴収によって控除しきれなかった場合、年末調整で控除することとなりますが、それでもなお控除しきれない金額がある場合には、令和7年以降に給付措置が行われる見込みとなっています。

ちなみに国税庁が公表している定額減税に関するQ&Aにおいては、給与等に係る控除前税額から行う月次減税額の控除を「月次減税」、年末調整の際に年調所得税額から行う年調減税額の控除を「年調減税」と呼称しています。

Ⅲ.月次減税の注意事項

先にお伝えした「月次減税」の対象となるのは、令和661日時点において、給与の支払者のもとで勤務している人のうち、給与の支払者に対して「扶養控除等申告書」を提出している人です。したがって、給与の支払者に対して「扶養控除等申告書」を提出していない人や、令和662日以降に雇用された人については「月次減税」の対象とはなりません。

ただし、令和662日以降に雇用された人のうち、「扶養控除等申告書」を提出した場合には、「年調減税」の対象となります。また、「月次減税」の対象となる人のうち、すでに提出済の「扶養控除等申告書」の記載内容に変更が生じた人については、「月次減税」においては修正を行わず、年末調整若しくは確定申告により精算されることとなります。

なお、合計所得金額が1,805万円を超える人については本来定額減税の対象となりませんが、令和6年中の合計所得金額が1,805万円を超えることが確実である人についても、令和661日時点で在職している人については「月次減税」の対象となる点にも注意が必要です。

Ⅳ.まとめ

定額減税について、現段階で注意していただきたいポイントについて簡単にお伝えしてきました。国税庁のホームページには「定額減税Q&A」も準備されており、今回ご紹介出来なかった内容も載っています。これからも随時内容が更新されると思いますので、疑問点があれば目を通していただければと思います。

TKC給与計算システムも定額減税制度に対応します。給与計算や年末調整のDX化も併せて実現するために、この際是非導入をご検討されてはいかがでしょうか?


国税庁 【定額減税Q&A】


Youtube動画はこちら! →定額減税解説動画【令和6年】

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納付書の事前送付廃止と電子納税

こんにちは。MSC税理士法人の小坂です。

今回は納付書の事前送付廃止と電子納税についてご紹介します。

Ⅰ.納付書の事前送付廃止

申告月に国税庁より郵送される納付書ですが、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」の実現に向けて、令和6年5月分以降は事前の送付が取りやめになります。

e-Taxにより申告書を提出されている法人の方やe-Taxで「予定納税の通知書」の通知を希望された個人の方は対象となるため注意する必要があります。

また、上記に該当されない方や、源泉所得税の徴収高計算書、消費税の中間申告書兼納付書は引き続き送付される予定です。

Ⅱ.電子納税

納付書の送付が廃止されるため、ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)のご利用がおすすめです。

ダイレクト納付とは、指定した口座から即時又は指定した期日に口座引落しにより電子納税をする手続きのことです。

メリットとしては、インターネットバンキングの契約が不要な点や手続きが簡単な点があります。

開始するためには、ダイレクト納付利用届出書の提出が必要となります。利用開始までに約1ヶ月程度かかるため事前に準備しておきましょう。

詳細なお手続きについては、担当者までご相談ください。

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新NISAとiDeCo!

みなさまこんにちは。MSC税理士法人の谷口です。

令和6年より、NISA制度の見直しが図られました。

非課税保有限度額が拡大した話はニュース等で報道され、NISAや投資にご興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。

そして実際に、NISAを始めようとした際に同じような制度としてよく比較に上げられるのがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。

このNISAとiDeCoについて、どのような違いがあるのか、どちらに加入したらいいのかを見ていきたいと思います。

Ⅰ.新NISA・iDeCoとの比較

まず、新NISAとiDeCoの違いを整理しておきましょう。下図に概要をまとめました。 


Ⅱ.新NISA/iDeCoどちらがいいのか?

結論から申し上げますと、余裕があれば、両方活用することをおすすめします。

ただ、なかなか両方活用するのにはハードルがありますので、どちらか1つを利用する場合には、どのメリットを重視するかによって変わりますので、下記からご自分に合ったスタイルでご判断ください。


【自由度】

 資金の引き出しの自由度の観点からみますと、新NISAに軍配が上がります。

 iDeCoは、国民年金や厚生年金などの公的年金に上乗せされる、老後の資金づくりを目的とする年金制度のひとつです。そのような目的から、投資した資金の引き出しは原則60歳まで行うことはできません。

 それに対し、新NISAは任意のタイミングで引き出すことができます。

 こうした違いから、貯蓄が少ないと感じている方、収入の変動が大きい方、これから大きな支出が見込まれる方などは、臨時の際にも引き出せる新NISAの方にメリットがあるかも知れません。


【税制メリット】

 税制メリットの観点で見ますとiDeCoに軍配が上がります。

 運用益が非課税なのは共通しますが、iDeCoは掛金について所得控除を受けることが可能です。

 節税額については、納税者の所得税率によって変わります。例えば一番税率が低い5%と仮定した場合、共通の住民税10%を加味した結果、下記のようになります。

 この節税額は、所得税率が高ければ高い方ほど増えていきますので、メリットが大きいです。

 なお、収入がない、またはあまり多くない専業主婦(夫)などの所得税を払っておられない方は、こちらの所得控除は関係がなくなりますのでご注意ください。

 また、iDeCoは受取時に課税対象となってしまいますが、一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除など各種所得控除が適用されます。

 総じてiDeCoの方が税制メリットは高いということになります。


【年間投資額/生涯投資額】

 年間投資額・生涯投資額ともに新NISAに軍配があがります。

 iDeCoは職業によって年間の掛金上限が異なります。老後の資金づくりを目的としているため、厚生年金に加入できない自営業者の方が最も多い年間81.6万円、会社員の方は14.4万円~27.6万円投資可能です。

 一方で、新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠を合算すると360万円まで投資可能です。

 したがって、年間投資額で比較すると、新NISAの方がより多くの投資が可能です。 

 ただし、生涯投資額で考えると、新NISAは非課税保有限度額が1,800万円ですが、自営業の方がiDeCoに23年以上満額投資した場合1,876万円以上の投資額となり、新NISAを超えることが可能です。

 ただし、新NISAは売却すれば枠の再利用が可能なので、この点についても新NISAの方に軍配が上がるのではないでしょうか。


【手数料】

 最後に、手数料に関しては新NISAの方に軍配が上がります。

 新NISAには口座開設手数料等はかかりません。(商品を購入する際に投資信託は購入時手数料、株式は売買手数料がかかる場合があります)。

 一方、iDeCoは加入・移換時手数料(初回1回のみ)として2,829円かかります。

 また、加入者手数料として105円(掛金納付の都度)と信託銀行に66円(毎月)かかる他、金融機関に支払う手数料も発生する場合があります。さらに、受取時には振込の都度440円がかかるなど、iDeCoの方が多くの場面で手数料がかかります。

Ⅲ.終わりに

以上のように、それぞれの観点で新NISA・iDeCoのメリットは分かれる結果となりました。

ご年齢やご職業、投資スタイルなどによって、どちらで投資を行うのがいいのか異なってきますので、ご不安な方は担当者までご相談ください。

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令和6年度税制改正大綱の一部概要

みなさまこんにちは。MSC税理士法人の野村です。

令和6年度税制改正大綱が昨年1214日に自民・公明両党によって決定されました。

税制改正大綱は翌年度以降の増税や減税などの新しい税制措置の内容や検討事項をまとめた文書です。

令和6年度においては、物価上昇を上回る賃金上昇の実現が最優先の課題とされ、所得税・個人住民税の定額減税や賃上げ促進・国内投資促進が盛り込まれました。

 

今回はその一部をご紹介します!

気になるトピックについては担当までご質問ください。

Ⅰ.個人所得課税

◯所得税・個人住民税の定額減税

令和6年分の所得税・令和6年度分の個人住民税について、納税者及び配偶者を含めた扶養親族1人につき、所得税3万円・個人住民税1万円を控除します。


ただし、納税者の令和6年分の合計所得金額が 1,805 万円以下である場合に限ります。

そのため、所得税額が確定する前に減税を受けることになります。

※減税の実施方法は所得の種類によって異なります。



 

○ 住宅ローン控除、住宅リフォーム控除の拡充(子育て支援税制の先行対応)

子育て支援税制として、生命保険料控除や扶養控除の見直し等が検討されており、先行して住宅ローン控除、住宅リフォーム控除が実施されます。





▶住宅ローン控除

子育て特例対象個人(夫婦のいずれかが40歳未満の者又は19歳未満の扶養親族を有する者)に対し、令和6年中に入居した場合に、控除対象借入限度額が上乗せされます。

認定住宅     4,500万円→5,000万円

・ZEH水準省エネ住宅  :3,500万円→4,500 万円

省エネ基準適合住宅   3,000万円→4,000万円

 

▶住宅リフォーム控除

 子育て特例対象個人が一定の子育て対応改修工事()をした場合に所得税額の特別控除が適用されます。標準的な工事費用相当額(限度額250万円)×10%の税額控除が可能ですので、対象となる方は確定申告時に忘れずに申告しましょう。

 ()子育て対応改修工事の例

→転落防止の手すりの設置、カウンターキッチンへの交換、防音性の高い床への交換

 

Ⅱ.法人課税

◯賃上げ促進税制の強化

賃金上昇をコストではなく、投資や成長の原動力であると位置づけ、物価高に負けない構造的・持続的な賃上げの動きをより多くの国民に拡げ、効果を高めるため、制度が強化されます。

・全法人向けの措置について要件が見直されます。また、中堅企業向けの措置が新設されます。下記は中小企業向けの措置についてです




▶中小企業向け措置の例(最大の税額控除率が40%から45%へ拡大)

 教育訓練費に係る税額控除率の上乗せ措置について、教育訓練費の増加割合が5%以上かつ雇用者給与等支給額の0.05%以上である場合に、税額控除率に10%加算されます。

 厚生労働省が実施するくるみん認定やえるぼし認定(2段階目以上)を受けた場合に、税額控除率に5%を加算する措置が新設されました。

 控除限度超過額が5年間繰越できる制度が設けられました。

なお、③は、繰越税額控除をする事業年度において雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額を超える場合に限り適用できます。

◯交際費から除外される飲食費に係る見直し

交際費等の損金不算入制度について、損金不算入となる交際費等の範囲から除外される一定の飲食費に係る金額基準を1人当たり 5,000 円以下から1万円以下に引き上げることとしました。

 






◯中小企業倒産防止共済の事業に係る措置について


令和6101日以後の共済契約の解除について、共済契約の解除があった後に共済契約を締結した場合には、その解除の日から同日以後2年を経過する日までの間に支出する当該共済契約に係る掛金については、損金算入ができないこととされました。




 

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『マンションの贈与』は令和5年のうちに!?

マンション評価見直しの背景

こんにちは。MSC税理士法人の土橋です。

マンションの相続税評価額については、以前より実勢価格とのかい離が大きいことが指摘されていました。

実勢価格に比べて低すぎるとの指摘です。

近年におけるマンション価格の高騰でこの「かい離」がますます大きくなってきていることもあって国税庁はマンション評価の見直しをすすめてきましたが、このほどその概要が明らかとなり近く正式に公表される見込みです。

マンションの評価方法

実勢価格が現行の相続税評価額の何倍か ←この倍数を「評価かい離率」といいます。

  評価かい離率が2.0であれば実勢価格が現行評価額の2倍という意味です。

ただし、ここでいう実勢価格は理論上の価格をいい、「評価かい離率」は次の算式で計算することとなります。

【評価かい離率】

  [築年数×△0.033]+[総階数÷33(1.0上限)×0.239]+[所在階数×0.018]

   +[敷地利用権面積÷専有面積×△1.195]+3.220

【新評価】

  評価かい離率が1.0未満の場合  ・・・現行評価額×評価かい離率

         1.0以上1.67以下  ・・・現行評価額のまま

         1.67超の場合   ・・・現行評価額×評価かい離率×0.6

・・・一見しただけではいくらになるのか、とてもわかりづらいのですが、

 新しいほど総階数が高いほど上層階へいくほど、評価額が高くなります。

  非常に大雑把ですが、大阪中心部の築浅タワーマンションで現行評価額の2倍強、

近郊部の一般的な物件でも現行評価額の1.5倍前後となりそうです

相続税への影響

相続財産にマンションがある場合、今後は相続税負担がこれまでと比較して増加することになりそうです。このマンション評価見直しはR6年以降の相続・贈与から適用される予定なので、R5年の贈与では現行の評価額で計算することになります。

将来の相続で渡す相手が決まっているような場合には、先に渡しておくのもありかもしれません。

相続のイメージ

                                                                   >見出しに戻る

業務改善のためのフレームワーク~ECRSの原則~

こんにちは。MSC税理士法人の芝野です。

生産管理、製造に関わっておられる方はご存じだと思いますが、業務改善の基本となる考え方で「イクルスの原則」をご紹介します。

より効率的に無駄なく作業を進めるために、以下の4つの観点から作業内容を見直し、業務改善を行っていくもので、生産現場のみならず、すべての業務において応用できる手法となります。

<ECRSの原則>

①排除(Eliminate) 作業の目的を改めて見直し、その業務をなくすことはできないかを検討します。違った視点で見直すと、不必要な作業、重複している作業が意外と多くあります。

②統合(Combine) 分かれていた作業を統合する、又は1か所に集めて統合するなど、まとめて行うことで全体的な作業時間を短縮できないかを検討します。2つの作業を連続して行った方が、全体効率が高くなる場合もあります。

③交換・順序の入替(Rearrange) 作業順序を入れ替えることで効率的にならないかを検討します。当初決めていた作業の順序のままで手順を入れ替えることなく、仕様変更による業務の追加など、作業順序が複雑化しているケースもあります。順序を入れ替えることで飛躍的に業務が効率化する可能性もあります。

④簡素化(Simplify) 作業そのものを単純化できないかを検討します。もっと単純に省略したやり方で同等の業務レベルを維持できないかを検討します。必要以上にチェックをかけるなど、昔からのやり方で業務が複雑化しているケースもあります。 自社の業務改善・見直しの際には、この考え方を使い【E→C→R→S】の順番で検討していくのも一つの方法です。 通常の業務効率が良くなれば、新しい取り組みにもチャレンジすることができます。前向きな仕事に時間を割くためにも、通常の業務改善を進められてはいかがでしょうか。


業務改善のイメージ

                                                                   >見出しに戻る

いま話題の”ChatGPT”を使ってみました!

こんにちは。MSC税理士法人の中井です。

いま一番注目を集めているAIチャットボット“ChatGPT”をご紹介します。

【 1 】特徴・機能

① 対話

人間の様に対話ができます。ChatGPTに質問や会話を入力すると、その内容に応じた返答をします。

② 質問応答

日本語や英語などでの日常会話(自然言語)の質問に、可能な限り的確に返答します。

③ 文章生成

テーマを与えるとそれについての文章を自動生成します。また文章の翻訳や要約、添削などもできます。


【 2 】実際に使ってみました。

試しに、

【ChatGPTを紹介するメルマガを作成して。タイトルは20文字以内、本文は250文字以内で。】と打ち込んだところ、以下のような返答でした。原文のまま掲載します。


タイトル:ChatGPTでAIとの対話を始めよう!
本文:
こんにちは、この度はChatGPTの紹介メールをお送りさせていただきます。ChatGPTはOpenAIが開発した大規模言語モデルで、人工知能による対話を可能にするテクノロジーです。
ChatGPTは、豊富なデータセットから学習したため、多岐にわたるトピックに対応しており、自然な日常会話をすることができます。例えば、ニュース、天気、趣味、スポーツ、そしてライフスタイルなど、多くの話題に関する知識を持っています。
ChatGPTと対話をすることで、人工知能との新しい体験を得ることができます。また、語学学習や質問応答、あるいはエンターテイメントなど、さまざまな目的にも利用できます。是非、ChatGPTとの対話を通じて、新しい世界を発見してみてください。

字数の制限やメルマガという簡単な単語を入力するだけで、あっという間に紹介文っぽいものが出来上がってきました。微妙な日本語であったり、真偽不明な情報を書き加える可能性がありますが、自動でここまでの文章が作成されますので、ChatGPTを使った顧客対応の効率化、文章校正や要約、顧客ニーズの抽出等々、ビジネスの課題解決に十分活用できそうです。

また、利用にあたっては以下の点をご注意ください。

(1)入力した情報は、ChatGPTの提供元(OpenAI社)などが参照できます。   情報漏洩の危険性がありますので、個人情報や機密情報は入力しないでください。

(2)現時点では2021年時点のネット情報をもとに返答を生成しています。2022年以降 の事象や一般的でないトピックについては、誤った返答をする可能性があります。

(3)ネット上にある社会的偏見などが返答に反映される可能性があります。 使い方に十分注意をしながら、まずはご自身の手でAI技術の進歩を体験してください。

ChatGPTのイメージ

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MSC社会保険労務士法人を設立致しました。

  • MSC社会保険労務士法人を設立致しました。

MSC社会保険労務士法人 名刺

皆さま初めまして。

この度、7月1日付でMSC社会保険労務士法人を設立し、その代表社員に就任致しました社会保険労務士の籔下昌生と申します。

昨年よりMSC行政書士法人の代表社員も務めさせて頂いておりますので、私の名前に心当たりのある方もいらっしゃるのではと思います。

今後は行政書士と社会保険労務士と二足の草鞋で頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します。

MSC社会保険労務士法人 バッチ

  • 社会保険労務士の仕事ってなに?

まずは社会保険労務士の仕事はどういうものかを知ってもらいたいと思います。

大きく以下の3つにわけることができます。

1号業務(社労士の独占業務)
社会保険(健康保険・厚生年金保険)や労働保険(労災保険・雇用保険)などへの加入や脱退手続き、助成金(雇用調整助成金やキャリアアップ助成金など)の申請などの書類の作成や提出代行業務

2号業務(社労士の独占業務)
労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類等の作成(給与計算業務など)、労働者名簿や賃金台帳の作成、就業規則や各種労使協定の作成など

3号業務
事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること(コンサルティング業務)

その他にも「会社」「人」「総務・経理」などに関することはなんでもお気軽にご相談ください。
また行政書士法人の業務(法人設立、記帳代行、許認可の取得、各種届出他)も引き続き行っておりますので、こちらのご相談もお気軽にお問い合わせください。
以上、今後とも何卒宜しくお願い致します。

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健康経営による業績向上

こんにちは、MSC税理士法人の西田です。


様は、「健康経営」という言葉をご存じでしょうか?

 経済産業省は、「健康経営」について「『健康経営』とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」と定義しており、「企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待される」としています。

 健康経営の考え方は、1994年にアメリカの臨床心理学者ロバート・ローゼン博士が、著書「ヘルシー・カンパニー -人的資源の活用とストレス管理-」で提唱しました。それは、企業経営と従業員の健康管理を一体と考え、従業員の健康管理を行うことで企業の業績向上を図るという考え方です。


年、健康経営がクローズアップされている背景には、以下のような問題があります。

・少子高齢化による労働人口の減少

・医療費と介護保険給付の増加(⇒健康保険料の上昇により企業負担が増加)

・従業員の健康状態の悪化による生産性の低下



このような背景を受けて、政府は以下のような健康経営に関する制度を設けています。


・健康経営銘柄

東京証券取引所の上場会社から健康経営に優れた企業を選定する制度で、長期的な企業価値を重視する投資家にとって魅力的な企業として紹介されます。2021年は、48社が選定されています。


・健康経営優良法人認定制度

健康経営に関する5つの認定基準(経営理念・方針、組織体制、制度・施策実行、評価・改善、法令遵守・リスクマネジメント)について一定の水準を満たす企業を、健康経営優良法人として認定する制度です。2021年は、大規模法人部門に1788法人、中小規模法人部門に7928法人が認定されています。健康経営優良法人に認定されると社会的な評価を得ることができ、健康経営優良法人のロゴマークが使用できるようになります。

認定基準として、健康診断受診の管理、ストレスチェックの実施、ワークライフバランスの推進、メンタルヘルス不調者への対応、といった様々な項目が挙げられています。




康経営の導入により、以下のようなメリットが期待できます。


・企業イメージ、採用力の強化

現代の就活生は、働きやすさや健康への配慮を重視する傾向があるため、強いアピールポイントとなります。


・生産性の向上

従業員が肉体的・精神的に健康になることで本来のスキルやパフォーマンスを発揮することができ、生産性が向上します。


・リスクマネジメント

特に業務が属人化しがちな中小企業においては、従業員一人の離脱による影響が大きく、さらに労働人口の減少により売り手市場となっている現代においては、新たな採用も容易ではありません。健康経営によって、従業員の心身の不調による離脱を防ぐことは、企業のリスクマネジメントに繋がります。


健康経営は、将来的な収益性の向上に繋がる計画的な投資です。また、健康経営優良法人の認定を受けることにより、採用活動において優位性を得ることができる可能性があります。当社では、健康経営優良法人の認定を受けるための情報をご提供することができますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。


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